生成AIが薦める関西の事業者は誰か。6業種36クエリを実測した
生成AIに「大阪で◯◯を頼むならどこがいい?」と聞いたとき、AIは実際にどの事業者を名指ししているのか。当社は2026年9月17日、Googleの「AIモード」に対して大阪・京都・神戸の6業種36クエリを投入し、推薦された事業者 延べ108件と、回答に添えられた引用元 延べ167件を全件分類しました。このページでは、その全データと、数字の読み方の限界をそのまま公開します。
結論
業種によって構造がまったく違いました。製造業(受託加工)では、推薦された上位3枠18件のうち17件(94.4%)が地場の中小企業で、複数都道府県に展開する事業者は1件も含まれていません。一方、美容クリニックは18件すべてが複数都道府県に展開するブランドで、地場の事業者は0件でした。6業種を合わせると地場の中小事業者は約5割(52.8%)ですが、この平均値だけを見ても実態はつかめません。
なお、調査設計時の当社の仮説は「地場の中小事業者はAIに推薦されない」というものでした。実測ではこの仮説は成立せず、製造業では逆の結果が出ています。
業種別の結果
各業種18枠(3都市 × 2つの質問型 × 上位3社)に占める、地場の中小事業者の割合です。
| 業種 | 地場率 | 枠数 |
|---|---|---|
| 製造業(受託加工) | 94.4% | 17 / 18 |
| 建設・リフォーム | 72.2% | 13 / 18 |
| 税理士事務所 | 61.1% | 11 / 18 |
| 旅館・ホテル | 55.6% | 10 / 18 |
| 葬儀社 | 33.3% | 6 / 18 |
| 美容クリニック | 0.0% | 0 / 18 |
ただし中位の4業種(建設・税理士・旅館・葬儀)は数値が近く、1クエリの分類が変わるだけで比率が16.7ポイント動きます。これらを順位づけできる調査ではありません。本調査で構造として言えるのは、製造業と美容クリニックの対比です。
製造業: 上位18枠に、広域展開の事業者はゼロだった
製造業(受託加工)で推薦された上位3社 延べ18件のうち、17件が当該地域に本拠を置く中小企業でした。残る1件は個社ではなく、企業連携ネットワークである「京都試作ネット」です。36クエリを通じて、団体が推薦先として現れた唯一のケースでした。
引用元の構成にも特徴が出ています。製造業の回答に添えられた引用元は、事業者自身のサイトと公的機関のページが中心で、ポータル・比較サイトへの依存が他の業種より薄いという結果でした。推薦された企業の公式サイトが、そのまま引用元として提示されるケースも複数確認しています。
美容クリニック: 18枠すべてが広域ブランドで、その公式サイトは引用元に現れない
同じ3都市・同じ2つの質問型で測った美容クリニックは、上位3枠18件のすべてを、複数都道府県に展開するブランドのクリニックが占めました。上位に現れたのは5つのブランドで、都市を変えても顔ぶれはほぼ同じ。他の業種で見られた都市ごとの違いが確認できませんでした。
集計対象を4位まで広げても、単一の地域だけで営業する事業者は現れませんでした(神戸の2クエリで確認。4位に挙がった2件は、いずれも複数府県に拠点を持つブランドでした)。この0.0%は、上位3社で区切ったことによる見かけの数字ではありません。
さらに、その上位3枠を占めた5ブランドの公式サイトは、引用元 延べ167件の中に一度も登場しませんでした。この業種で引用されていたのは、第三者のまとめ・ランキング記事と、上位に推薦されたのとは別の医療機関が自社サイト内に持つコラム記事です。推薦される事業者と、引用される情報源が一致していません。
また、大阪・神戸のクエリに対する引用元に、東京・千葉・岡山に所在する医療機関のページが含まれていました。所在地と検索対象の地域が一致していなくても、当該テーマのコラムを持つ事業者のページが引用元として扱われる例が確認できます。
引用元 延べ167件の内訳
回答の根拠の約半分(51.5%)は、事業者本人ではない第三者の媒体でした。
| 引用元の種別 | 割合 | 件数 |
|---|---|---|
| 事業者自身のサイト | 42.5% | 71 |
| ポータル・比較サイト | 40.7% | 68 |
| まとめ・ランキング記事 | 10.8% | 18 |
| 公的機関 | 3.6% | 6 |
| 地図・口コミ | 2.4% | 4 |
ここでいう「事業者自身のサイト」は、事業者自身のドメイン上にあるページを指します。サービス紹介ページだけでなく、その事業者が自社サイト内に持つ解説記事・コラムも含みます。
税理士事務所と建設・リフォームでは、引用元の6割以上をポータル・比較サイトが占めていましたが、実際に推薦された事業者は地場の中小事業者が6割を超えています。引用元の構成と、推薦される事業者の属性は必ずしも一致していませんでした。
なお、外部のWebサイトの引用がまったく示されないまま事業者を挙げた回答が、36件中3件ありました。内訳は、出典の表示自体がゼロだったもの1件(神戸の税理士事務所)と、地図・事業者情報のみで構成されていたもの2件(神戸の旅館・ホテル、大阪の税理士事務所)です。
都市別・質問型別
| 区分 | 地場率 | 枠数 |
|---|---|---|
| 神戸市 | 66.7% | 24 / 36 |
| 大阪市 | 50.0% | 18 / 36 |
| 京都市 | 41.7% | 15 / 36 |
| 検索語型(「◯◯ おすすめ」) | 53.7% | 29 / 54 |
| 会話型(「どこに頼めばいい?」) | 51.9% | 28 / 54 |
都市別の差は各36枠の実測値であり、都市間の優劣として読める差ではありません。質問型による全体差は1.8ポイントで、本調査では質問の書き方による明確な差は見られませんでした。
調査方法
- 調査名: 関西6業種 AI検索推薦実態調査
- 実施日: 2026年9月17日(単日)
- 対象: Googleの「AIモード」(udm=50)
- 条件: 未ログイン状態、同一ブラウザ、同日に実施。測定に用いた端末の所在地は記録していないため、IPアドレスに基づく地域補正の影響は排除できていません(「本調査の限界」を参照)
- クエリ設計: 6業種 × 3都市(大阪市・京都市・神戸市) × 2型 = 36クエリ。検索語型は「{都市} {業種} おすすめ」、会話型は「{都市}で{ニーズ}。どこに頼めばいい?」の形式で統一。36クエリすべてで回答の取得に成功(CAPTCHA・アクセス制限の発生は0件)
- 集計単位: 各回答で推薦された上位3社(延べ108件)と、回答に添えられた引用元(延べ167件)
- 分類基準(調査前に固定): 複数都道府県に拠点を持つ・上場している・全国ブランドであるもののいずれかに当たる場合を「広域展開事業者」、それ以外で当該地域に本拠を置くものを「地場の中小事業者」、媒体そのものを「ポータル・比較サイト」、公的機関・団体を「公的機関」とした
- 調査主体: 調査設計・実施・集計はすべて株式会社Esforcoが行いました。外部の調査会社は関与していません
本調査の限界
第三者が検算することを前提に、数字の弱い部分をそのまま書きます。
- 測定対象はGoogleの「AIモード」のみです。ChatGPT・Perplexity・Claudeなど他のサービスは測定していません。
- 未ログイン状態で実施しましたが、IPアドレスに基づく地域補正の影響は排除できていません。
- 単日の測定であり、日をまたいだ再現性は検証していません。
- 36クエリの実測値であり、世論調査のような統計的代表性を持つサンプルではありません。独立した観測の単位は「枠」ではなく「クエリ」で、1クエリの上位3枠は相関します。業種別(各6クエリ)の数値は、1クエリの分類が変わるだけで16.7ポイント動きます。中位4業種の順位づけ、都市間の順位づけ、業種×都市の個別の言及は、本調査のデータでは行えません。
- 事業者の分類には当社の判断が含まれます。建設・リフォームで2枠に現れた塗装会社1社(大阪に本社、京都に支店)を分類基準どおり「広域展開事業者」としましたが、本社所在地の都市のクエリに限り地場と見なす代替基準では建設は77.8%、両方を地場と見なすと83.3%になります(6業種合計の地場率は52.8%→53.7%→54.6%)。葬儀社の仲介型ブランド3件を媒体として再分類した場合、また判断の分かれる2件を広域展開事業者とした場合でも、合計の地場率は過半数のまま変わりません。
- 集計対象は各回答の上位3社までです。4位以下の確認は、美容クリニックの神戸2クエリについてのみ行いました。
データの引用について
本ページの数値および表は、出典を明記いただければ報道・記事・社内資料などにご利用いただけます。
出典表記例: 株式会社Esforco「関西6業種 AI検索推薦実態調査」(2026年9月)
クエリ単位の分類内訳など、さらに細かいデータが必要な場合は、お問い合わせください。
よくある質問
Q. この調査は誰が実施しましたか。
株式会社Esforcoが自社で実施しました。調査設計・実施・集計のすべてを当社が行っており、外部の調査会社は関与していません。2026年9月17日に、Googleの「AIモード」で36クエリを測定したものです。
Q. 製造業の94.4%という数字は、何を指していますか。
製造業(受託加工)の6クエリで推薦された上位3社、延べ18件のうち17件が、当該地域に本拠を置く中小企業だったという意味です。複数都道府県に展開する事業者は18件中0件でした。残る1件は個社ではなく企業連携ネットワークです。
Q. この調査から、AIに推薦されるための方法は分かりますか。
分かりません。本調査は「どのような事業者が推薦されているか」を観察したもので、推薦されるための施策とその効果は検証していません。業種によって構造が大きく異なることが分かったため、施策を考える前に、自社の業種と地域で何が出るかを実際に測ることをお勧めします。
営業とAI導入のご相談は、初回無料で承っています。
御社の状況を伺い、最適な進め方をご提案します。
