営業支援
営業代行が失敗する会社の共通点は、発注した後ではなく前にある

営業代行がうまくいかない原因は、たいてい契約の前にあります。代行会社の実力の問題に見えて、実際は発注側の準備の問題だと私は考えています。
代行会社を替えても、たいてい同じ場所で止まる
営業代行がうまくいかない会社は、代行会社を替えても同じ場所で止まります。詰まっているのが代行会社の実力ではなく、発注側の準備であることが多いからです。
2社目、3社目と乗り換えるたびに、最初の1か月は仕切り直しで終わります。リストの条件を説明し直し、トークを作り直し、また架電が始まる。アポの件数は前より増えることもありますが、受注は動きません。
ここで「営業代行は効かない」と結論を出す会社があります。効かなかったのは代行という手段ではなく、渡し方です。
丸投げが事故るのは、入口と出口の2か所
丸投げして事故になるのは、2か所に限られます。誰に電話をかけるかを決める入口と、商談で何が起きたかを戻す出口です。
入口を任せると、リストは「作りやすい条件」で出てきます。業種と従業員規模で切っただけの名簿は、たしかに数は揃います。ただ、その会社が困っていることと御社の商材が噛み合っているかは、そこには入っていません。架電した先で断られても、断られた理由は代行会社の管理表に溜まるだけで、御社には件数だけが届きます。
出口も同じ形です。商談に出た営業が「あれは予算が合わなかった」と感じても、それが翌週のトークに戻らなければ、同じ相手に同じ入り方を続けることになります。
架電そのものや日程調整は、外に出して構いません。手が足りないから頼むのであって、そこを握り続けても意味がないからです。
発注から受注まで、そのまま並べてみる
次の図は、産業用資材のメーカーが新規開拓で営業代行を使う場合の、一般的な例です。かみ合っていないときと、かみ合っているときを並べています。
産業用資材のメーカー(社員40名・営業3名)が、新規開拓で営業代行を使う場合
かみ合っていないとき
かみ合っているとき
※ 体制や商材による一般的な例です。実際にどこで詰まっているかは、業務を拝見してからお見せします。
発注の前に、社内で決めておきたいこと
見積もりを取る前に、社内だけで決められることが5つあります。ここが空欄のまま契約すると、代行会社は空欄を自分で埋めるしかありません。
- 誰に売るか。既存のお客さんを20社ほど並べて、共通点を書き出す。業種より、困っていた状況のほうが効きます
- 何を成果と呼ぶか。アポの件数なのか、決裁者と会えた件数なのか。ここで単価の意味が変わります
- 商談を誰が受けるか。週に何件まで受けられるかも一緒に。3名の営業が既存客を回りながら週5件の新規商談を捌けるかは、事前に見ておく話です
- 断られた理由をどこに貯めるか。代行会社の管理表を自社も見られる形にしておくと、あとが楽です
- 契約が終わったとき何を残すか。トークも断り文句の傾向も先方の中、という契約だと、やめた瞬間にゼロに戻ります
ご相談をいただいたとき、私たちが最初にやるのは人員を組むことではありません。既存のお客さんを並べて共通点を出す作業を、営業の方と2時間ほど一緒にやります。ここで出てきた言葉が、そのまま架電のトークになることが多いです。社内の人しか持っていない情報だからです。
料金の考え方は営業代行の費用相場についての記事に書きました。契約形態の話は、この準備が終わってからで間に合います。
期間で区切らず、毎週何を見るかで決める
「3か月で結果が出なければ切る」という決め方を、私はすすめません。何か月で何件、という約束の仕方も同じです。商材の単価や検討期間によって、動き方がまるで違うからです。
毎週見る数字を決めておくほうが、早く判断できます。架電数、担当者につながった率、アポ率、商談化率、そして失注理由の分布。このうち動いていない場所が、手を入れるべき工程です。
つながる率が低いなら、見直すのはトークではなくリストか時間帯です。つながってアポが取れないならトーク。アポは出るのに商談が進まないなら、成果の定義か、リストの条件そのもの。数字を見ずに「なんとなく合わない」で切ると、次の会社でも同じところに戻ります。
外に出すのは手と時間。決めることは社内に残る
営業代行で買えるのは、人手と時間です。誰に売るか、何を成果と呼ぶか、断られた理由をどう使うか。そこは買えません。
入口と出口だけ社内に置いて、あいだは任せる。それだけで、届く報告の意味が変わります。
アポの件数は分かりやすい数字です。ただ、その件数が誰との商談なのかは、発注する前に決まっています。
よくある質問
Q. 営業代行がうまくいかない原因は、どこにあることが多いですか?
代行会社の実力より、発注側の準備であることが多いです。誰に売るか、何を成果と呼ぶか、商談を誰が受けるかが決まらないまま契約すると、代行会社はその空欄を自分で埋めるしかありません。そのため代行会社を替えても、たいてい同じ場所で止まります。
Q. 営業代行に丸投げしてはいけないのは、どの工程ですか?
誰に電話をかけるかを決める入口と、商談で何が起きたかを戻す出口の2か所です。入口を任せるとリストは作りやすい条件で出てきますし、出口がないと失注の理由が翌週のトークに戻りません。架電そのものや日程調整は、外に出して構わない部分です。
Q. 営業代行を始めたあと、何を見て継続を判断すればいいですか?
期間で区切るより、毎週見る数字を決めておくほうが早く判断できます。架電数、担当者につながった率、アポ率、商談化率、失注理由の分布の5つです。つながる率が低ければリストか時間帯、つながってアポが取れなければトーク、アポは出るのに商談が進まなければ成果の定義かリストの条件を見直します。
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