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業務自動化

日報の集計を自動化する。月末の半日をなくす進め方

2026.08.18

月末の金曜、夕方6時を回っても事務所の電気が消えない会社があります。

やっているのは、たいてい集計です。現場から上がってきた日報を並べて、Excelに数字を写して、部門ごとに足して、月報の体裁に整える。ひとつひとつの作業は難しくありません。ただ量があって、締切がある。だから月末に固まって、半日が消える。

この半日は、いまのAIでかなり小さくできます。ただしやり方を間違えると、何も変わらないどころか現場の入力の手間だけが増えます。うちがそれをやってしまった話も含めて書きます。

集計が重いのは、日報そのもののせいではない

ある製造業の会社で業務診断をしたときのことです。総務の方に「月報の作成、どのくらいかかりますか」と聞いたら、少し笑って「半日は覚悟してます」と返ってきました。半日という言葉が、覚悟という言葉とセットで出てくる。もうその時点で、業務として無理をしているサインです。

その場で中身を分けてみました。日報を集めて回る時間。書き方がバラバラなものを揃える時間。数字を月報のシートに転記する時間。最後に体裁を整える時間。

計算そのものは、Excelが一瞬で終わらせています。時間を食っていたのは、バラバラの入力を同じ形に揃える作業のほうでした。「A工程」と書く人、「a工程」と書く人、「エー工程」と書く人。時間を「2h」と書く人と「120分」と書く人。それを人間が読んで、頭の中で同じものだと判断して、直していた。

これまでのやり方は、現場に正しく書かせることだった

この問題への昔からの対処法は、入力を統一することでした。記入ルールを決めて、プルダウンの様式を配って、朝礼で周知して、守られているか確認する。

これ、現場からすると仕事が増えているだけなんです。運転して、作業して、疲れて戻ってきて、そこから決められた形式で入力しろと言われる。守られへんのも無理はないと思います。そしてルールが崩れた瞬間、集計側の負担は元に戻ります。

生成AIが効くのはここです。揺れたまま受け取って、後ろ側で揃えられる。表記の違いを同じものとして扱い、単位を統一し、日付の書き方をそろえ、月報の形に積み上げる。人間が頭の中でやっていた「読んで、判断して、直す」を、機械の側に寄せられるようになりました。

つまり、現場の書き方を変えなくていい。ここが従来のデジタル化との一番の違いだと思っています。

正直に書いておくと、完璧ではありません。AIは、間違えるときも自信満々に間違えます。だから最終確認は人が持つ設計にします。全自動を狙って人を外すと、間違いに気づけない仕組みができあがります。

製造業(従業員30名)の月末|現場5部門の日報を、総務1名が月報にする場合

これまで|月末の2日間

月末 25日
各部門長に日報の提出を催促紙・Excel・LINEが混在
26日 午前
表記のゆれを直しながらExcelへ転記「段取り」と「段取替え」を同じ項目に直す作業・約2時間
26日 午後
部門別の月報に集計し直し、体裁を整える約3時間

AIで自動集計にしたあと

毎日
日報は今の書き方のまま提出現場は何も変えないAIが読み取り、その日のうちに集計へ反映自動
月末
できあがった月報を確認し、補足を書くだけ約30分
月末に約5時間+催促約30分

※ 部門数・日報の様式による一般的な例です。対象になるかは実際の業務を拝見して判断します。

月末に山ができること自体が、いちばんの問題

集計を毎日に分散させると、時間の総量よりも先に、別のものが変わります。

月末にまとめて集計している会社は、数字を見るのが翌月です。8月の異常に気づくのが9月の頭。気づいたところで、8月はもう終わっています。毎日積み上がる形にすると、月の途中で「今月ちょっとおかしいな」が見える。手が打てる時期に数字が届くようになる。

経営の立場からすると、削れた半日より、こちらのほうが大きいはずです。

うちが最初にお願いするのは、日報の現物です

業務診断でお伺いするとき、最初に見せていただくのは直近数か月の日報の現物と、そこから作られた月報の両方です。この2つを並べると、間で人間がやっている変換作業が全部見えます。どこで手が止まっているかは、完成した月報だけ見ても分かりません。

この作業をすると、そこそこの確率で見つかるものがあります。誰も読んでいない項目です。

月報の中に、何年か前に誰かが必要だと言って以来、一度も使われていない欄が残っている。担当者は律儀に毎月埋めています。自動化する前に、その欄を外す判断のほうがよほど効きます。作らずに済ませるのが、いちばん速い自動化なので。

無料の業務診断を訪問でやっているのは、この「測る」と「並べて見る」を最初にやるためです。仕組みは御社のアカウントの中に作るので、日報のデータを外に持ち出すこともありません。

うちも一度、盛大に外しました

以前、集計を自動化するために、日報の入力フォームを新しく作ったことがあります。選択式で、必須項目が抜けたら進めなくて、集計側から見れば理想的な設計でした。

2週間ほどで使われなくなりました。

現場の方にとっては、スマホでフォームを開いて選んでいくより、これまでどおり手元の紙に書くほうが速かったからです。集計側の都合で現場の手数を増やすと、まず続きません。いまは、現場の入力方法は極力そのままにして、後ろ側で吸収できないかを先に検討します。あのときの失敗がなければ、たぶん同じ設計を繰り返していました。

自動化しないほうがいい日報もあります

日報が報告書ではなく、上司と部下のやりとりのきっかけになっている職場があります。毎日目を通してコメントを返している運用なら、それは集計の話とは切り離してください。数字の集計は機械に渡していい。ただ、読む行為まで一緒に外してしまうと、その職場から何かが抜けます。

もうひとつ。日報の量が少ない会社では、手でやったほうが早いという結論も普通にあります。測った結果そうなるなら、そう申し上げます。全部を自動化する必要はありません。

月末の半日は、たいてい誰かの残業か、誰かの週末を削って捻出されています。その半日を守るためだけでも、日報の集計は見直す価値があると思います。

営業とAI導入のご相談は、初回無料で承っています。
御社の状況を伺い、最適な進め方をご提案します。

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稲井伽樹
稲井 伽樹株式会社Esforco 代表取締役。営業支援とAI導入・業務自動化の実装パートナーとして、中小企業の現場に伴走。